蜂の子は高齢者の健康維持にも役立つ?

高齢になっても健康を維持するためには

人は高齢期になると、体型の変化や内臓の臓器の縮小などが起こる傾向があります。
それに伴い、必然的に機能も低下していくことになります。

年を重ねても健康を維持するためには、まず規則正しい生活を心掛けることが大切です。
高齢になると、生理的に睡眠が浅くなり不眠がちになる傾向があります。
このため、夜に自然と眠れるようになるためには、日中の活動量を増やして、昼と夜のメリハリをつけると良いでしょう。
また、日中に軽い運動の習慣を取り入れることは、健康的で若々しい体の維持に繋がります。

そして、高齢者の健康を守るためには、食生活に気を配ることも必要です。
毎日の食事に気を配り、バランス良く必要な栄養を摂取することが、病気に負けない強い体を叶えます。

そんな健康維持に役立つ食品の一つが、蜂の幼虫やサナギである蜂の子です。
この蜂の子には、様々な栄養素が豊富に含まれており、古くから長野県や岐阜県などで貴重なタンパク源として食されていました。
そんな蜂の子は、高齢者の健康維持もサポートしてくれるのです。

高齢者の健康維持に役立つ蜂の子の力

聴力を維持する

難聴や耳鳴りは、加齢に伴って増加します。
日本で難聴や耳鳴りに悩まされている人の割合は、65歳以上の場合で約3人に1人にもなるのです。

加齢に伴って難聴が増加する理由として、ストレスを受けたときに分泌される「コルチゾール」というホルモンが、年を重ねることによって増加することが考えられます。
聴力を司る蝸牛(かぎゅう)には、このコルチゾールの受容体が多く存在します。
このため、ストレスによってコルチゾールが増加してしまうと、聴力に影響を与えてしまうのです。

蜂の子は、このコルチゾール値を低下させて、聴力の維持を助けてくれるのです。
岐阜大学医学部付属病院・青木光広准教授の研究グループが行った実験では、酵素分解蜂の子を摂取した患者は、蜂の子を摂取していない患者と比べて、血液中のコルチゾールの値が低下していることがわかりました。
また、酵素分解蜂の子を摂取した患者は、聴力の著しい回復がみられたのです。

このように蜂の子は、ストレスホルモンのコルチゾールの活動を抑制し、聴力を守ってくれるのです。

健康的な血液や血管を維持する

年をとると、一般的に血圧が上がりやすくなるといわれています。
このため、高齢になると高血圧や脳卒中などが起こりやすくなるのです。
血管壁は、高齢になると厚くなったり弾力性がなくなったりするため、血液が流れにくくなります。
その結果、動脈硬化といった病気のリスクも高くなってしまいます。
健康を守り元気でいるためには、血液や血管をなるべく健康に保つことが大切です。

蜂の子には、血液や血管の健康維持を助けてくれる様々な栄養素が含まれています。

血液や血管の健康維持に役立つ蜂の子の栄養素とは

パントテン酸
パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれており、蜂の子やレバーなどあらゆる食品に含まれています。
体内においてパントテン酸は、血液中の善玉コレステロールの合成促進に関わっています。
この善玉コレステロールには、血流を悪化させる原因になる悪玉コレステロールを回収し、肝臓に運ぶ役割があります。
ですから、パントテン酸は善玉コレステロールの合成を助けることで、健康的な血流を維持してくれるのです。
マグネシウム
マグネシウムは、動脈を収縮させて血圧を上げるカルシウムや、ナトリウムの量を調節して正常な血圧を守ってくれます。
また、実際に行われた実験によって、マグネシウムは空腹時の血糖値を低下させることがわかりました。
タウリン
タウリンは、体内でも合成することができるアミノ酸で、体内で胆汁の分泌を促進してくれます。
この胆汁がつくられる際に、胆汁酸が必要になりますが、胆汁酸の生成にはコレステロールが必要です。
ですから、タウリンは胆汁酸の必要量を増やし、それに伴ってコレステロールが使われて減少するのです。
さらに、タウリンは交感神経を抑制することによって、血圧を正常に維持します。
メチオニン
メチオニンは、体内で合成することができない必須アミノ酸の一種であるため、食品などから摂取する必要があります。
このメチオニンは、体内で細胞の老化を抑制する役割を担っています。
また、老化の原因になる活性酸素を除去する「セレン」を運搬する役割も果たすため、若々しい元気な体の維持に役立ちます。
リノレン酸(αリノレン酸)
αリノレン酸は、体内に入ることでDHAやEPAに変換されます。
このDHAやEPAは、サラサラした血液を維持するだけでなく、脳の細胞を活性化させるため、健康的な脳や神経も守ってくれます。
また、人間の体は約60兆個の細胞からできていますが、αリノレン酸は、この細胞を守る細胞膜の構成成分です。
この細胞膜がしっかりと構成されることで、若さの維持に繋がるのです。

骨の健康を維持する

女性は閉経を迎えると、骨からカルシウムが溶け出す「骨吸収」を抑えてくれる女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。
そのため、骨量が低下して骨がスカスカになる骨粗しょう症になる危険性が高まります。
また、加齢によっても骨量は減少していくため、男性の場合でも高齢になると骨粗しょう症になるリスクが高くなるのです。

蜂の子には、丈夫な骨をつくるために必要なカルシウムやマグネシウムが含まれています。
また、骨組みの役割を担い、骨のしなやかさを保つためにはコラーゲンも大切です。
蜂の子には、このコラーゲンの合成を助けるビタミンCも含まれています。
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