蜂の子はどんな方法で採取するの?

蜂の子は、ミツバチやスズメバチの幼虫で、タンパク質といった様々な栄養素が豊富に含まれています。
この蜂の子を採取する方法には、養蜂場で採取する方法と、自然の中にある蜂の巣を探して蜂の幼虫を採取する方法があります。

養蜂場で採取する方法

養蜂場では、ローヤルゼリーやハチミツを採取するために、主にミツバチの子を飼っている場合が多いです。
ミツバチは、卵からふ化する期間が約3日、幼虫の期間は約5~6日、さなぎの期間は雄と雌で違いがありますが、約12~15日程度です。

このミツバチの幼虫を、蜂の子として使用するために採取する期間は、養蜂場によって異なりますが、アミノ酸の含有量が多く栄養価が高くなる21日目頃に採取して加工する養蜂場が多いです。

採取した蜂の幼虫は、空気に触れると変質し、時間が経過すると蜂の子の持つ酵素によって腐敗が始まってしまいます。
このため、蜂の子のサプリメントを販売しているメーカーによっては、提携している養蜂場の近くにクリーンルームを併設しています。
そこへ、生きたままの蜂の子を巣板ごと運び、専門の技術者が蜂の子を慎重に取り出し、すぐに冷凍保存をして細菌の繁殖を防いでいます。

また、その提携養蜂場では寄生虫の繁殖を防ぐために、巣板を使い回しせずに毎回新しい巣板を使用しています。
さらに、ハチミツやローヤルゼリーは採取しないことで、蜂の子の餌がなくなってしまうことや蜂の巣が傷つくことを防いでいます。
その結果、大きな蜂の子が育つのです。

このように、蜂の子のサプリメントを販売しているメーカーによっては、蜂の子の品質を保つため、丁寧に採取と管理が行われています。

長野県などで行われている採取方法

古くから蜂の子を食用として採取している長野県や岐阜県などでは、「すがる追い」や「蜂追い」という採取方法が行われています。

すがる追い

自然の蜂の子を採取する際には、一般的にすがる追いという方法が行われています。

すがる追いの場合、まず綿を付けたカエルの肉や魚、昆虫などを木に吊るします。
綿を付けることで、蜂がエサを抱えて飛んで運ぶ際に見失ってしまうことを防ぎ、後を追うことができます。

そして、蜂の巣を見つけたら蜂取り用の煙幕を炊き、蜂を仮死状態にさせます。
この仮死状態になっている間に、蜂の巣を取り出します。
また、地面の下に巣がある地蜂の場合は、地面の下から巣を掘り出します。

蜂の巣を取り出した後は、ピンセットなどを使って蜂の子を採取します。

蜂追い

大型で毒が強いオオスズメバチの巣を探す場合には、蜂追いという方法が行われています。

蜂追いでは、まずワインやハチミツ入りのジュースを用意してオオスズメバチをおびき寄せ、網で捕獲します。
捕獲したオオスズメバチの体には、目印となるリボンをくくりつけて離します。
そして、リボンが付いている蜂を追いかけ、オオスズメバチの巣を見つけ出し、煙幕や薬などは使わずに蜂の巣を取り出します。

安易に自然の蜂を採取するのは辞めよう

蜂は毒を持っているため、非常に危険な昆虫です。
温厚な性格を持つミツバチも、針には毒の入った袋が付いています。
このため、大群で襲われてしまうと、アナフィラキシーショックという命を脅かす危険な状態に陥ってしまう恐れがあります。

このため、蜂の子を摂取するためには安易に蜂の巣を採取しようとせず、市販されている蜂の子やサプリメントを選びましょう。
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