蜂の子を使った郷土料理

蜂の子は蜂の幼虫のことで、長野・岐阜・愛知・静岡・山梨・宮崎などの山間部を中心に食べられています。かつては貴重なタンパク源として重宝されました。一般的には軽く炒って食べることが多いのですが、地域によっては蜂の子を使った独特の郷土料理があるので、代表的なものをいくつかご紹介します。

岐阜・静岡・愛知の一部地域では、蜂の子を入れた炊き込みご飯を食べる習慣があります。この炊き込みご飯の呼び名は地域によって異なり、岐阜県の恵那市・中津川市では「へぼめし」、静岡県の藤枝市岡部地区では「はえはちめし」と呼ばれています。へぼは地蜂の幼虫を指す方言です。

また、地蜂は長野県ではすがら・すがる・すがれと呼ばれ、甘露煮や佃煮にしたものが販売されています。さらに、長野県には蜂の子のみならずイナゴやザザムシの佃煮もあります。

宮崎県北部には蜂の子入りそうめんがあり、地元では「はち汁」と呼ばれています。蜂の子でダシを取った汁は、濃厚でありつつも、さっぱりとしていておいしいそうです。

馴染みのない人にとって、蜂の子料理は気持ち悪いと感じてしまうかもしれません。しかし、昔から好んで蜂の子料理を食べてきた人々がたくさんいるのもまた事実なのです。"

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