滋養強壮に役立つ蜂の子の栄養素とは

蜂の子とは、ミツバチやスズメバチの幼虫やサナギのことを指します。
この蜂の子には、健康に役立つ様々な栄養素が豊富に含まれています。
このため古くから、「蜂の子に勝る美容、滋養食なし」と言い伝えられ、現代でも長野県や岐阜県などで食されています。
また、蜂の子は中国で約2000年以上も前から、最高級の滋養強壮食品として愛されてきました。

そんな蜂の子に含まれている栄養素の中でも、特にタンパク質やアミノ酸、ビタミン類やミネラルが滋養強壮に役立ちます。

タンパク質

体質の弱い部分を補い、体質を改善して丈夫な体になるためにはタンパク質が必要です。
タンパク質は、人間の臓器や筋肉、皮膚などの組織を構成する重要な成分です。

また、タンパク質は赤血球中のヘモグロビンの材料になる栄養素です。
このヘモグロビンは、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。
このため、疲れの原因になる貧血を防ぐためには、鉄分だけでなくタンパク質も十分に摂取することが大切です。

さらにタンパク質には、ウイルスの侵入を阻止する働きがあるリンパ球や異物に攻撃を与えるマクロファージ、感染から守る働きがあるグロブリンを生成する役割もあります。
ですから、タンパク質を十分に摂取することで、ウイルスなどを排除する抗体の働きが活発になり、免疫力が高まるのです。

蜂の子には、そんなタンパク質が豊富に含まれているため、古くから貴重なタンパク源として食されていました。

アミノ酸

アミノ酸は、タンパク質を構成する重要な成分であり、エネルギーを作り出して健康を維持する働きがあります。
蜂の子には、このアミノ酸が非常に多く含まれており、その量はローヤルゼリーの約3倍といわれています。

その中でも、特に免疫力の向上や疲労回復に効果があるアミノ酸が「BCAA」と「アルギニン」、そして「アスパラギン酸」です。

BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)

BCAAとは、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸の総称です。
このBCAAを運動する前に摂取することで、エネルギーを作り出して持久力を維持する効果を得られます。

また、BCAAは、疲労物質をエネルギーに変換するために重要な役割を果たすアミノ酸です。
このBCAAが不足してしまうと、筋肉疲労の原因になる乳酸が蓄積され、悪化すると頭痛や体の冷えなどを引き起こします。

アルギニン

アルギニンは、免疫細胞であるマクロファージを活性化させる効果と、疲労を回復する効果に期待できます。
実際に行われた実験では、運動で負担を与えたラットにアルギニンを与えたところ、疲労物質であるアンモニアの濃度が低下したことがわかりました。

さらに、アルギニンには血管を拡張させる一酸化窒素を作り出す働きもあるため、摂取することで冷え性といった体質も改善へと導かれるでしょう。

アスパラギン酸

アスパラギン酸は、クエン酸回路(エネルギーを作り出す重要な機能)に働きかけ、疲労の原因となる乳酸の分解を促進するため、疲労や冷えの改善に効果があります。
また、エネルギー源となるグリコーゲンの生成を促進する働きもあるため、アスパラギン酸を十分に補うことで、スタミナを高めることができます。

さらに、アスパラギン酸は、疲労によって減少したカリウムやマグネシウムを細胞の中に運び、体調を整えてくれるのです。

ビタミン

ビタミンB1

「疲労回復のビタミン」とも呼ばれているビタミンB1は、炭水化物の代謝過程で働く酵素をサポートします。
このため、ビタミンB1をしっかりと摂取することで、体を動かすために必要なエネルギーを生み出すことができるのです。

また、エネルギーが十分に作られると、乳酸という疲労物質が体内に蓄積されることを防ぐことができます。

ビタミンB2

ビタミンB2は、脂質の代謝過程で働く酵素をサポートしてくれるビタミンです。
このビタミンB2の働きによって、脂質が上手くエネルギーに変えられ、脂肪も燃焼されます。
ビタミンB2が不足してしまうと、脂質の代謝が上手くいかず、肌荒れや眼精疲労などの原因にも繋がってしまう恐れがあります。

ビタミンC

ビタミンCには、細胞を酸化させる活性酸素を除去する「抗酸化作用」があります。
この作用によって、体を動脈硬化やがんといった病気や、老化から守ってくれるのです。

さらに、ビタミンCを摂取することで、免疫力を高めて風邪をひきにくい体をつくる効果にも期待できます。
風邪をひきやすい人は、血液中のビタミンC濃度が低く、風邪が回復すると徐々にビタミンC濃度が高くなるということがわかっています。

また、ビタミンCは病原菌を攻撃する白血球の働きを強化するだけでなく、ビタミンC自体も病原菌を攻撃してくれるのです。

ビタミンB5(パントテン酸)

ビタミンB5は、ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」の合成を促す働きがあります。
このため、ストレスによる疲労の予防やストレスへの抵抗力を高める効果があります。

また、代謝に関わる酵素の働きを助ける物質の構成成分となるため、エネルギーを生み出すためには必要不可欠なビタミンです。

ミネラル

マグネシウム

マグネシウムには、多くの酵素の正常な働きとエネルギーの産生を助ける働きがあります。
さらにマグネシウムは、神経の興奮を抑える効果に期待できるミネラルです。
このため、マグネシウムを摂取することで、体だけでなく心の疲労も回復へと誘導することができます。

鉄は必須ミネラルの一つで、赤血球を構成する重要な成分です。
鉄の力は貧血を予防するだけでなく、運動時の乳酸の上昇を抑制することができるため、疲労の予防や改善にも役立ちます。

脂肪酸(リノール酸、オレイン酸、リノレン酸)

リノール酸には、コレステロール値を下げて血行不良を改善する働きがあります。
これにより、動脈硬化や高血圧の予防や改善ももたらしてくれるのです。

オレイン酸は、善玉コレステロールは減らさずに、血流悪化の原因になる悪玉コレステロールのみを減少させることができます。
この働きは、動脈硬化だけでなく心疾患の予防や改善にも役立ちます。

リノレン酸は、体内で血液をサラサラにする効果がある「DHA」や「EPA」になります。
このDHAやEPAは、心の疲労の回復にも効果があります。
実際に行われた研究では、DHAを摂取することで精神の安定が維持できることが明らかにされました。

まとめ

蜂の子には、タンパク質をはじめアミノ酸や、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
特にアミノ酸は、体内では合成することができない必須アミノ酸を全て含んでいます。
蜂の子を摂取することで、これらの栄養素をバランスよく摂取することができるのです。

そのため、蜂の子は古くから貴重な滋養強壮食品として、多くの人に愛されてきました。
蜂の子の栄養素が持つパワーは、体質を改善して強い体を叶えてくれるでしょう。
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